津野米咲(つのまいさ)さん。
ロックバンド「赤い公園」の元メンバーであり、多くのアーティストに楽曲を提供したミュージシャンです。
「つのまい」の愛称で親しまれました。
過去形なのは、2020年10月18日に残念なことにお亡くなりなったからです。
そして「赤い公園」も2021年5月28日に行われたラストライブ「THE PARK」をもって解散しています。
今回は津野米咲(つのまいさ)さんが手がけた数々の名曲の中から数曲をピックアップして紹介したいと思います。
泡沫サタデーナイト! – モーニング娘。’16 –
最初に紹介するのは、個人的に津野米咲さんが赤い公園以外に提供した作品の中で、一番好きな曲、モーニング娘。’16の「泡沫サタデーナイト!」です。
モーニング娘。の代表曲といえば?と聞かれたら一番名前があがるのは、「LOVEマシーン」かもしれませんね。
この「泡沫サタデーナイト!」は現代版LOVEマシーンといっても過言ではない!と思っています。
キャッチーな曲調のダンスナンバー。
それ故、元気がもらえるというか明るい気持ちになれるというか。
モーニング娘。といえば、プロデューサーのつんく♂さんが作詞・作曲を手掛けるイメージですよね。
実際、ほとんどの楽曲の作詞・作曲をつんく♂さんが手掛けています。
インタビューによると、津野米咲さんは「モーニング娘。」のライブに行ったりもすることがあったみたいで、提供が決まった際は「とにかく嬉しかった」との事です。
自分が見ていたアーティストに曲の提供が決まったら、そりゃ嬉しいですよね。
個人的に、津野米咲さんの楽曲で惹かれる点に、明るくて元気になったり、カッコよくてテンションがあがる、けどそこに何か切なさというか、「明るい、カッコイイ」だけでは終わらない感じが含まれてる感じがあって、そこが好きだったりします。
「泡沫サタデーナイト」は当時の中心メンバーであった「鈴木香音」さんのラストソング(卒業ソング)となっています。
門出を祝うにふさわしい、明るくキャッチー曲。
だけど「門出」というのは別れも含まれていて、それ故切なさも感じる事ができる曲になっている気がします。
「モーニング娘。」の曲をずっと聴いてきた訳ではないし、むしろ知らない曲の方が多いぐらいです。
なので、それまでの経緯だったり、進化だったりそういったものは知る由もありません。
ファンの方がこの曲に感じる部分ってのとは違う部分もあるかもしれませんが、個人としてはそんな、明るさと切なさの詰まった素敵な1曲だと思います。
笑って – つばきファクトリー –
続いて、「モーニング娘。」と同じく、ハロープロジェクトの「つばきファクトリー」に提供した楽曲、「笑って」です。
2017年の楽曲です。
サビから始まる「笑って」
笑って 笑って 笑って
笑い疲れたら
なぜか泣き出しそうだ
ってな感じの歌詞なんですが、「笑う」ってのと「泣き出しそう」というパッと見、逆の言葉が混じっています。
「笑って」の歌詞を読んでの勝ってな解釈になりますが、「笑って頑張った先の疲れ」というか、「笑顔で頑張ってきたけど、ちょっぴり疲れちゃった」的な感じなのかなと。
前を向いて、目標だったりそういったものに向かって進んでいくけど、やっぱり時には疲れちゃうし、そう上手くはいかない、だけどやっぱり「笑って」いく。的な感じかなと。
その歌詞を唄っているのが、アイドルってところがなんか、ジーンときました。
つばきファクトリーの軌跡を知っている訳じゃないので、違っていたら申し訳ないですが、アイドルしての道的なものと似ているのかなと。
個人的なアイドルのイメージは「笑顔」で「元気」だったり、そういうポジティブ的なもの。
表向き「笑って」いるけど、その反対側も当然存在しているだろうし。
冒頭の歌詞は上記で終わっていますが、その後に出てくるサビでは
笑って 笑って 笑って
笑い疲れたら涙が出そうだ
希望抱いて飛び出して
ちょっとこわいけど
産声をもういちど
ってなるんですね。
「産声をもういちど」
もう一度、戻るって事なのかなと。
どこに?
「笑って」いる瞬間に。
次のサビでは
笑って 笑って 笑って
笑い疲れたら涙が出そうだ
プライド捨てて
この際やけっぱちでもいい
産声をもういちど
「プライド捨てて」「やけっぱちでもいい」から「笑って」いる場所に戻るというか。
紆余曲折はあるけど、「笑って」いく
っていう事なのかなと。
前向きー!!
でも、その前向きは簡単に生み出したものじゃなくて、色々あった末に生み出したもので、それがなんかいい。
って事で「泡沫サタデーナイト」では曲調部分でしたが、「笑って」では歌詞に目を向けて見ました。
MUJINA – 遠藤舞 –
続いては「遠藤舞」さんに提供した「MUJINA」
2014年の楽曲です。
「遠藤舞」さんに関しては、この楽曲を知ると共に知りました。。。
元「アイドリング」のメンバーで2017年に芸能界を引退しているとのこと。
今はボイストレーナーや楽曲提供をしているみたいです。
そんな「遠藤舞」さんに提供した、この「MUJINA」ですが、静かながらテンポの良い感じで始まります。
音が増えていき、サビへと向かっていきます。
サビのテンポが良いけど、その中にある切なさ。
「泡沫サタデーナイト」でも書いた、津野米咲さんの楽曲の好きポイントですね。
その感じが「遠藤舞」さんの声と良い感じにマッチしています。
元アイドリングのメンバーという事で、アイドルと津野米咲さんってのは、相性が良いのかなと。
アイドル論ってものは持っていないですし、どっぷりハマるって事もなかったので、簡単にアイドルと相性が良いのかな、なんて言うのはおこがましいですが、津野米咲さんが楽曲を提供していなかったら、知る事はなかったかもしれません。
そんな事を思える1曲でした。
凛々爛々 – 赤い公園 –
最後に紹介するのは、「津野米咲」さんが所属していた「赤い公園」の楽曲です。
そりゃ最後はそうするでしょう、と。
数ある赤い公園の中から選んだのは「凛々爛々」
赤い公園の楽曲は「蔦谷好位置関連のオススメの曲たち」という記事で「KOIKI」という曲を、「“ぜ” っていいよねって話」という記事で「yumeutsutsu」という曲を紹介しました。
その2曲は敢えて外して考えるとしても、赤い公園で好きな曲はまだまだあるなーと。
その中で1曲選ぶとしたら何かなと考えた結果出た結論がこの「凛々爛々」
曲として好きなのもありますが、赤い公園が2021年5月28日(金)におこなったラストライブ「THE PARK」の最後に演奏されたのが、「凛々爛々」だったんですね。
赤い公園が最後に演奏した曲、「ならこの曲でこの記事も締めよう!」っていう安易な考えです。
この「凛々爛々」は、2019年8月21日に配信された夏にぴったり!な疾走感のあるナンバーです。
歌詞に目を向けてみるとですね、1番の歌詞は
つめたい人だなんて
これっぽっちも傷つかないわ
私のコンロのつまみを
あなたには渡さないだけ
といった歌詞や
可愛くない人だなんて
これっぽっちも聞き取れないわ
仕方ないから君に愛を分けてあげるわ
っていった感じで誰かに向けていっているような感じなのに対して、2番の歌詞では
羨ましい人だなんて
いじけたら勿体ないわ
きっと愛してほしいわ
私は私に一番
っていった感じや
さえない人だなんて
手鏡の中をいじめないで
ずっと愛してあげるわ
君に分けてあげられるわ
といった感じで自分に向けられているような感じなんですね。
1番では「仕方ないから君に愛を分けてあげるわ」と2番では「君に分けてあげられるわ」となっているので、誰かに向けて言ってる感と自分に言い聞かせている、確認している感ってのが感じられます。
つまり、外と自分に向けた決意表明みたいな感じなのかなと。
「凛々爛々」に関して、津野米咲さんがこんな事を言っています。
この曲は、凛として日々を過ごすための、ちょっとしたお守りのようなものです。
–津野米咲(Gt / Cho.)
「お守り」ってどんなものか考えた時に、「願い」や「想い」がこもっているものなんじゃないかなって。
合格祈願、必勝祈願、安産祈願などなど、何かを「願ったり」する時、何かに対する「想い」がある時に持っているもの。な気がします。
なので、この曲に対して、そういった「決意表明」的なものを感じるのかもしれません。
そして、ラストライブの最後の曲に選ばれたのがこの曲ってのが、よりそう感じさせられるというか。
前を向いて進んでいくための、表明。そしてエール。
疾走感のある曲と書きましたが、その中にある「切なさ感」ってのがしっかりとある曲で、「津野米咲感」のある1曲です。
津野米咲さんがこの曲に対して言っていた「お守りのようなもの」
赤い公園のファンの方の、津野米咲さんのファンの方の「お守り」的な1曲。
これからも聞き続けると思います。
だって、お守りだから。
しっかりと側に置いておかないと。
凛として日々を過ごすために。
余談ですが、好きな漢字ってのがあって、「凛」と「楓」だったりします。
なんか見た目がね。
津野米咲が作った素敵な曲たちのまとめ
という訳で、今回「津野米咲(つのまいさ)」さんが作った素敵な曲たちを紹介してみました。
正直、こうして記事にする、まとめるのはどうなんだろうか。って思ったりもしました。
けど、もし何かのきっかけでこのサイトを訪れ、この記事を目にして、そして曲を聴いて、「めちゃめちゃ良い曲じゃん!」とか「なにこれ!めっちゃ好き!!」とかそういったプラスの何かがその人に加わってくれたらいいなぁと。
新たな曲は生まれてこないかもしれませんが、これまでの曲は消えません。
なので、こうして記事に残すことにしました。
今回は曲を聴いて欲しかったので、youtubeで動画が見つからない曲はいれませんでした。(SMAPに提供した「Joy!!」とかね!あれも良い曲なんだよ!!津野米咲さんっぽくて良いんだよ!!)
津野米咲(つのまいさ)という、素晴らしいミュージシャンの作った曲たちが、1人でも多くの人の心に届きますように。
2021年10月18日